堀江被告に対する判決
東京地裁に入る前、上空を飛ぶヘリを見上げる堀江貴文被告=16日午前9時26分、東京・霞が関で
車を降り、東京地裁に入る堀江貴文被告=16日午前9時26分、東京・霞が関で
東京地裁に入る堀江貴文被告=16日午前9時26分、東京・霞が関で
弁護側は、判決を不服として即日控訴した。前社長は閉廷後、いったん検察施設に留置されたが、同日午後、再保釈された。
公判では、主に、投資事業組合(投資ファンド)を介在させた取引で、自社株売却益を連結決算で売り上げ計上した違法性と、それらの行為に対する前社長の関与や指示の有無が争われた。
判決はまず、投資ファンドの実体について「自主的な判断が介在している事情はうかがえず、脱法目的で組成された」と判断。自社株売却益の売り上げ計上を認められないとした。
判決は、公判で前社長の関与を詳細に再現してみせた前取締役の宮内亮治被告(39)や金融子会社前社長の中村長也被告(39)らの証言の信用性を検証。「メールによって裏付けられている他の幹部の証言と符合し、信用できる」とした。
それらを踏まえ、判決は、前社長の関与について「架空売り上げ計上の実行を部下に指示し、それ以外の犯行についても最終的な決定をする形で関与した」と認定した。ただ、粉飾決算などは宮内前取締役が中心に実行したもので、前社長が「最高責任者として各犯行を主導したとまでは認められない」とした。
判決は事件全体を総括し、「損失額を隠蔽(いん・ぺい)する過去の粉飾決算事例と異なり、飛躍的に収益を増大させている企業の姿を示して投資判断を大きく誤らせた」と指摘。「一般投資家を欺き、企業利益のみを追求した犯罪」と非難した。
弁護側は公判で、前取締役らが自社株売却益の一部を生活費などに使った事実を提示。「横領などの嫌疑があるのに検察は不問に付し、代わりに検察のストーリーに沿う証言をした」と主張して、前取締役らの証言の信用性を争った。
この点について判決は、横領の嫌疑が「強く疑われる状況にはある」と弁護側主張に一定の理解を示した。しかし、これをもって証言の信用性が否定されるものではないとした。
http://www.asahi.com/national/update/0316/TKY200703160052.html