質問したのは仏紙ルモンドの記者。2月に香港で出版された趙氏の発言録に「中国の現代化のためには台湾のような民主化が必要」とあることについて「どう評価するのか」と尋ねた。
温首相は中国の掲げる「社会主義民主政治」について一般的な見解を述べるにとどまり、「香港での出版と私の見解は関係なく、私はその本も読んでいない」と答えた。
このやりとりの直後、同サイトのネット中継が約30分間にわたり中断。趙氏に関連した部分が削除されて再開された。
今回の記者会見では、ネットを通じて温首相への質問が多く寄せられており、温首相自身も会見の冒頭でネットを通じた交流を重視する姿勢を見せたところだった。
会見はテレビで全国に実況中継され、趙氏に関連した質疑での中断はなかった。ネットでは大半のサイトが削除したが、国営新華社通信のサイトはそのまま掲載した。
温首相は天安門事件当時、趙氏の秘書役にあたる共産党中央弁公庁主任として、一緒に天安門広場を占拠した学生を見舞ったことがある。