前スカイ事業部長らは05年12月、経済産業相の許可を受けずに「北京必威易創基科技有限公司(BVE社)」(北京市)向けに、軍事転用可能な産業用無人ヘリを輸出しようとした疑いが持たれていた。
3人は調べに対して事実関係をほぼ認めているという。処分保留の理由について、同地検は「会社の業務の一環として行われたものであり、反省している」とだけ説明した。
違法性の認識については、「(3人は)信号が青色か赤色かはっきりしないが、赤色だったと認識していた可能性は高い。ただ、法を逸脱しようとする意図までは認められなかった」として、故意性の低さを認めた。
法人としてのヤマハ発動機は、輸出管理体制を整えるなど「十分な反省に立って再発防止に取り組んでいる」として、略式起訴としたという。
外為法は、噴霧器の取り付けができ、燃料以外に20リットル以上の液体などが搭載可能で、操縦者が機体を見なくても飛行を制御できる可視外飛行が可能な場合、大量破壊兵器の運搬手段になるとして、経産相の輸出許可が必要と定めている。静岡・福岡両県警の合同捜査本部は、ヘリは簡単な改造を加えると可視外飛行できると判断、逮捕した。
ヤマハ発動機は16日、「社員3人の釈放に安堵(あんど)する一方、略式起訴は厳粛に受け止める。輸出管理体制が不十分だったことを真摯(しんし)に受け止め、今後輸出管理体制のさらなる強化に努めていく。お客様、取引先、株主ら関係者にご心配とご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げる」とのコメントを発表した。
http://www.asahi.com/national/update/0316/TKY200703160437.html