ヤフーの香港法人から使ったサイトのアドレスや職場の住所などの情報を中国の公安当局へ提供されたとされるのは、中国湖南省の経済紙記者だった師濤氏(38)。天安門事件に関する報道方針を指示する中国共産党の文書をネット上に流したとして05年、国家機密漏洩(ろうえい)罪で懲役10年の判決を受けた。その際、ヤフーからの情報提供が判明し、家族らが抗議。香港政府に調査を求めた。
香港政府の呉斌プライバシーコミッショナーは14日の会見で、「サイトのアドレスなどは個人情報に当たらない」などとし、「公安当局の要求は中国の刑法に基づいており、拒否すれば刑事処罰を受ける可能性があった」と、ヤフー側の立場も酌量した。