県宇和島地方局などによると、クジラは体長約15メートル、重さは推定約30トン。同日午前6時ごろ、港内を泳いでいるのを発見された。金属の缶などをたたいて音で漁港の外へ追い出そうとしたが、うまくいかず、同地方局や宇和島市、三浦漁協などが対策を協議。県総合科学博物館の学芸員から助言を受けて救出作業の手順を決めた。
午後2時ごろから、胸ビレにかけたロープをタグボートで引っ張ろうとしたが何度か失敗。その後、胴体にロープを巻き付け、1隻がその端をタグボートにかけたところ、クジラが暴れ出し、反対側のロープを引っ張っていた別の1隻に体当たりしたらしい。クジラは午後6時半すぎ、沖合に泳ぎ去った。
山本さんと一緒に海に投げ出された三浦漁協職員の牧野正典さん(50)は「あっという間に海中に投げ出され、私は自力で海面に浮かび上がった」と振り返った。救出作業の助言をした学芸員は「クジラに近づかないように確認していたはずだったが……」とぼうぜんとした様子だった。
http://www.asahi.com/national/update/0313/OSK200703130080.html