【モスクワ=瀬口利一】ロシア第2の都市サンクトペテルブルクや一部の共和国、州など14の自治体で11日、地方議会選が行われた。
タス通信などによると、12日午後までの集計で、プーチン政権与党「統一ロシア」が軒並み30〜60%台を得票して13の自治体で首位に立った。愛国主義や左派系の3党が昨秋に合併して発足した第2与党「公正ロシア」も躍進した。
政権側は、12月下院選や2008年3月の次期大統領選に向けて支持基盤を盤石にし、プーチン大統領の「翼賛色」が一層強まりそうだ。
今回の統一地方選は12月の下院選の前哨戦。統一ロシアは、好調な経済や大統領の高い支持率を背景に、産油地帯チュメニ州で66%を得票。大都市サンクトペテルブルクでも37%を得て、22%の公正ロシア、16%の共産党、11%の極右自由民主党を引き離した。同市を地盤とする民主派野党「ヤブロコ」は、「登録手続きの不備」を理由に市選管から選挙登録を拒否された。「政権による野党つぶし」との見方が支配的だ。
一方、公正ロシア(党首・ミロノフ上院議長)は、南部スタブロポリ地方で首位、他の5自治体で2位につけ、共産党や自民党の票田を奪った。公正ロシアは愛国主義政党「祖国」と生活党、年金者党が昨年10月に合併。結党後初めての選挙で地方の中低所得者や高齢者層に支持を広げ、プーチン政権の選挙戦略を支える有力政党に浮上した。