愛知県尾張旭市瀬戸川町の分譲住宅予定地を整地中だった同県瀬戸市の建材業の男性(43)が、土中から、現金5000万円が入ったプラスチック製の衣装ケースを発見していたことが、12日わかった。
男性は拾得物として愛知県警守山署に届け出た。
同署によると、10日午後4時ごろ、この男性が、重機で予定地を掘り返していたところ、深さ約10センチの地中から、ふたのついた半透明のケース(縦28センチ、横35センチ、高さ11センチ)が出てきた。ふたは粘着テープでふさがれ、偽造防止のホログラムを刷り込む以前の1万円札が、ちょうど5000枚入っていた。100万円ずつ金融機関の帯封がついていた。ナンバーのそろった新札ではなかった。
登記簿などによると、この土地には個人の住宅が建っていたが、差し押さえや競売などで次々と所有者が変わり、昨年10月に東京都の不動産会社が購入した。住宅は解体され、今年1月には、さいたま市の不動産会社が購入していた。
不動産会社が購入する以前には一時、瀬戸市の金融業者の男性が土地の所有者となっていたが、この男性は昨年3月に死亡している。この男性の家族は、読売新聞の取材に「何も聞いていない」と話している。
約10年前まで住んでいた男性(72)の妻は、「夫は『よく覚えていないが、引っ越す直前に、自分が埋めたのではないか』と言っている」と話した。同署は現金が埋められたのはこの男性の転居後とみている。