花見の季節を控え、鋸南町のサクラの名所佐久間ダム湖周辺で、有志の町民ら約50人が、テングス病に感染したソメイヨシノの枝を刈った。同病に感染すると、花が付かず、さらに放っておくと木が枯れてしまう。一帯では4月1日、町挙げての「おお・花見」が催される予定だ。
周辺には早咲きの頼朝桜(カワヅザクラ)など数種類、約2千本のサクラがある。うちソメイヨシノ約500本が、同病にかかっていたことが2月18日、日本花の会(河合良一会長、東京都港区)の小山徹研究員の指摘で分かった。
この病気は感染部分から小枝がほうきや塊状に密集して生えるのが特徴で、その様子から「魔女のほうき」「天狗(てん・ぐ)の巣」などと呼ばれている。
同町では、ボランティア団体「刈るめん」(岩田二郎代表、13人)が高齢者宅などを見回り、感染した枝の切除に努めているが、限られた人手では追いつかないという。
同研究員から「開花前に感染部分を切除しないと被害がさらに広がる」と注意されたため、同会鋸南支部(重田恒久支部長)や「刈るめん」などが8日、ダンプカー20台分の感染した枝を刈り、焼却した。
3年ぶりの作業で、同ダム湖観光組合(石井広一組合長)で管理を担当している安崎実さんは「おかげさまで、安心して花見客を迎えられる」と喜んでいた。
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