相模原市、城山町、藤野町が11日に合併し、新しい「相模原市」が誕生した。市民会館で合併の記念式典があり、多くの市民らが参加して新市のスタートを祝った。一方、旧両町の役場は総合事務所となり、開所式が行われた。
(小川太一郎)
新市は、旧相模原市、旧津久井、旧相模湖、旧城山、旧藤野各町を加えた地域が行政区域となり、人口は県内第3の約70万4千人。2010年3月末を目標に、政令指定都市移行を目指す。
記念式典は和太鼓の演奏の後、市民ら約1200人が参加して始まった。病気療養中で、4月末で引退を表明している小川勇夫市長も車いすで出席した。
小川市長のあいさつは加山俊夫助役によって代読され、「都市機能の充実をはかりながら、津久井地域の自然などの地域性を生かしたまちづくりを進める」「行政区域の拡大とともに、自主、自立した力強い都市づくりを進めるため、2010年3月末までに政令指定都市の実現に取り組む」などとした。
合併した1市2町の首長と市議会関係者が、市町村合併功労者総務大臣表彰を受けた。
旧城山町長の八木大二郎氏は「合併をめぐり町内では激しい議論があった。合併はまちづくりの目標ではなく、まちづくりの手段に過ぎない」、旧藤野町長の鈴木謙仁氏は「少子高齢社会を迎え、合併は足腰を強化して住民のサービスの安定をはかるために、決して間違った判断とは思っていない」とあいさつした。
また、松沢成文知事は「1市4町がついに一緒になった。県としても、新市が先進的なまちづくりが出来るように政令指定都市への移行を、県議会とも調整をとりながら、出来るだけ支援していきたい」と述べた。
式典会場では合併記念アトラクションとして、旧藤野町の「藤野村歌舞伎」、旧相模湖町の「与瀬権現太鼓」、旧津久井町の「鳥屋の獅子舞」、旧城山町の「祭囃子(ばやし)」、そして相模原市の「上溝のぼうち唄(うた)」がそれぞれ披露された。
一方、藤野総合事務所の開所式は午前8時50分から、城山総合事務所では午前10時20分からそれぞれ行われ、加山、宮崎泰男の両助役は「それぞれの地域の特性を生かしたまちづくり進めていく」と述べ、事務引き継ぎ後、総合事務所の開所を祝うくす玉を割った。
■「指定市実現頼む」
小川勇夫市長は11日の合併記念式典前、松沢成文知事と握手を交わし、「政令指定都市の実現を頼むよ」と元気な声で話しかけた。
市長が公務に顔を見せたのは、体調を崩し、市議会の議場から救急車で病院に運ばれた2月16日以来。式典に参加した支持者や市民からは「頑張って下さい」と激励の声がかけられ、一緒に写真撮影を求められると気軽に応じていた。
関係者のあいさつでは、小川市長が2年前から治療を続けながら、リーダーシップを発揮して合併に取り組んできたことをたたえる声が相次いだ。
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