北区の花川与惣太区長が区長交際費から03〜05年度の3年間に、一部の区議やその支持組織に計64件、27万3500円を支出していたことが分かった。
花川区長が支出していたのは、9会派43人いる区議のうち7会派18人の区議やその支持組織。1件あたりの金額は千円から1万円だった。
支出内容は区議の「区政報告会」や「後援会忘年会」、「後援会ボウリング大会」などの会費。ある区議には「後援会役員会」や「選対解散式」などとして最高額の計5万7500円を支出していた。
花川区長は「区議関連の支出は前区長からの慣例のもの。今後は使途基準を設けて区議関連の支出はやめたい」としている。
中央区の矢田美英区長が区長交際費を使ってお中元やお歳暮を区民に贈っていたことも分かった。毎年夏と冬、1人当たり5千円相当の「おでん種詰め合わせ」や「のり詰め合わせ」などを55人前後に贈っており、品代は1年間で計50万円以上。区によると、贈り先は行政委員を務める区民がほとんどで、「感謝の気持ち」だという。
全国市民オンブズマン連絡会議の新海聡弁護士は「交際費は行政目的を達成するために執行するもの。地元議員の会合や住民へのお歳暮などは不必要な支出だ。こうした支出は首長選の選挙対策のためと言っていい」と指摘している。
■政調費の一部返還勧告
新宿区議会の自民、共産両区議団が支出した政務調査費を「違法」だとした住民団体「区政務調査費研究会」の住民監査請求に対し、区監査委員は12日、請求を一部認める監査結果を出した。両区議団が支出している「人件費」の一部について、会派で実施する調査研究を補助するための職員を雇用するためと定めた使途基準に違反すると判断、自民党区議団に49万5千円、共産党区議団に約173万7千円を4月末までに返還させるよう中山弘子区長に勧告した。
監査結果によると、両会派は04年度第4四半期と05年度、「調査研究を補助するため」などとして「区議団事務局長」などへの人件費を支出。共産は2人に計約1256万7千円を、自民は2人に計525万円を支払っていた。
監査委は「会派の調査活動と政党活動などの別が判然としない場合がある」と指摘。共産が税務署に提出した事務局長に関する書類に「政党事務局」と記していたことや、自民の事務局長が政党ポスターの掲示責任者になっていたことなどから「調査研究補助以外の業務も行っていたと言う疑念が払拭(ふっ・しょく)できない」と指摘した。
http://mytown.asahi.com/tokyo/news.php?k_id=13000000703130001