滑走路に胴体着陸した全日空機=13日午前、高知空港で
DHC8−400型機の着陸
ボンバルディア機の主なトラブル
国交省は、同型機について「耐空性改善通報(TCD)」を13日中にも発令。同日午後から国内で運航されている計22機について、運航を順次停止し、前輪が正常に下りるか緊急点検する。緊急点検に伴い、同型機を使用する路線では欠航なども予想される。
同省の航空・鉄道事故調査委員会は、航空事故として事故調査官を派遣した。
同機は、午前8時20分に大阪空港を離陸し、8時55分に高知空港に着陸予定だった。操縦室には機長(36)と副操縦士(34)の2人が乗務。同機は一度着陸を試みたが、前輪が出ずにやり直し、上空待機を続けていた。
機体前方が滑走路に接地すると、火花が上がったが、機体は徐々に速度を落とし、滑走路上に停止した。消防車が機体に消火剤をまいたが、火災などは発生しなかった。
記者会見した全日空の中村克己・オペレーション統括本部副本部長によると、本社への連絡は9時10分ごろ。燃料の残量から飛行可能なのは1時間半だったため、大阪に引き返すより、高知空港に着陸したほうがいいと判断した。
今回トラブルを起こした機体は74人乗り。05年7月に納入され、総飛行時間は約2967時間という。今回のトラブルについて、全日空は、はっきりした原因はつかめていないとしている。過去のトラブルについては、「この機体については大きなトラブルは聞いていない。しかし、過去に同機種ではトラブルは何度か経験しており、同種の400型の13機については緊急点検を実施する」と答えた。
今回と同型機ではこれまで2件、前脚や主脚が出ないトラブルが発生。1件は06年2月、中部空港から松山空港に向かっていたエアーセントラル機、同5月6日も大阪から新潟に向かっていた同社便で、すべての脚が出なくなった。いずれも手動操作で脚を出して着陸していた。
http://www.asahi.com/national/update/0313/TKY200703130065.html