米国内では、陸軍病院の一部で傷病兵が放置されていたことが政治問題化している。そのさなかだけに、心のケアの必要性にも、改めて注目が集まりそうだ。
この研究は、カリフォルニア大学サンフランシスコ校や、同地の在郷軍人病院の医師らのグループが、01年9月から05年9月に在郷軍人向けの医療保健制度を利用したイラクとアフガン帰還者、10万3788人を対象に実施した。
その結果、25%が精神疾患と診断された。不適応など、広い意味で心理的な問題を抱えていると診断された人も含めると、31%に上った。精神疾患と診断されたグループのうち56%は二つ以上の疾患がみられた。心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの疾患になる危険性は、最も若い18〜24歳の年齢層で一番高かったという。