判決によると、中村被告は01年10月5日、同支店駐車場で、現金輸送車の警備員に約13メートル離れた場所から拳銃を発砲して左足に重傷を負わせ、500万円入りのジュラルミンケースを強奪。さらに03年8月、東京都新宿区の保険会社の貸金庫に拳銃10丁と実弾約1000発を隠し持っていた。
中村被告は公判で貸金庫に拳銃を保管していたことは認めたが、現金輸送車襲撃については「仲間の男が自らの射撃の腕前を誇示するためにやった」と否認していた。
西田裁判長は「仲間の男」について、「刑事責任を追及される危険を冒してまで射撃の技量を誇示するとは考えられず、不合理な犯人像を作り上げることで自らの犯行を隠した」と指摘。「多数の人が出入りする駐車場で起こした金銭目的の犯行であり、社会に与えた影響は大きい」と判断した。
中村被告は東大中退後の56年、東京で警察官を射殺したとして無期懲役の判決を受け、76年に仮出所した。02年に名古屋市西区のUFJ銀行支店(当時)で警備員に発砲して5000万円入りのかばんを奪う事件を起こし、04年に懲役15年の判決が確定。この公判過程で01年の都島支店襲撃への関与が分かり、大阪府警が04年6月に逮捕した。捜査当局の調べに対し、中村被告は拳銃を収集した動機について「精鋭を集めて民兵組織をつくる」などと供述していた。
http://www.asahi.com/national/update/0312/OSK200703120035.html