同社によると、大平元記者が取材した録音データが入ったICレコーダーを相手の了解なしに第三者の取材協力者に渡した行為について、「記者として守るべき一線を越えた許されない行為」と判断した。ただ、昨年5月に取材協力者にICレコーダーを渡す際、他人に聞かせないことを念押しし、その後も返却を再三要請していたことから、懲戒解雇ではなく諭旨解雇としたという。
録音データを渡した理由について、大平元記者は「長年の親交があった取材協力者から求められたうえ、取材の手詰まり感があり、さらに情報を得て大きな記事を書きたかったため」と答えたという。取材協力者は元暴力団組長の画家の山本集氏(66)だった。
監督責任を問われた5人の処分は次の通り。
執行役員東京本社編集局長伊藤芳明 役職停止1カ月▽東京本社編集局次長(取材記録提供時の社会部長)河野俊史 同1カ月▽同社会部長斉藤善也 同15日▽常務東京本社代表(同編集局長)観堂義憲 役員報酬返上30%・1カ月▽常務主筆・編集担当朝比奈豊 同20%・1カ月
〈朝比奈豊毎日新聞社主筆・編集担当の話〉 ご迷惑をおかけした方々に心よりおわびいたします。読者の皆様の信頼を損ない、誠に申し訳ありませんでした。今回の問題を教訓に、取材記録の厳重な取り扱いをはじめとした取材活動の基本を、日常の記者指導や研修で徹底します。
http://www.asahi.com/national/update/0312/TKY200703120409.html