「鉄鋼マン」だった安倍首相が10日、26年ぶりに神戸製鋼所加古川製鉄所(加古川市金沢町)を訪れた。退社以来、初めて古巣に戻った首相は、自動化が進んだ高炉などを約1時間見学し、集まった社員らを激励した。
神鋼によると、安倍首相は80年5月から9カ月間、加古川製鉄所で工程課厚板係員として生産管理を担当し、輸出関連の業務を経て82年11月に退社した。
この日は午前8時過ぎから、社員らの案内で高炉を見学し、自動化が進んだ今も、1500度ある銑鉄の品質は色合いを見て判断しているなどの説明を受けた。厚板工場では、在職時に現場の責任者だった元社員と再会した。首相は「厳しかったが、かわいがってもらった」と懐かしそうに話したという。
見学後、事務所前で社員らにあいさつし、製鉄を「匠(たくみ)の技術」と評価。ものづくりの技術力を「日本の強みとして生かしてほしい。誇りを持って頑張っていただきたい」と述べた。この後、高炉で使う耐火れんがに「鋼の匠」と揮毫(き・ごう)した。
http://mytown.asahi.com/hyogo/news.php?k_id=29000000703120005