このミネラルウオーターは「ナノクラスターGeルルド水1200」。販売元のオーガニックゲルマニウム社によると、疲労、老化の要因を取り除く効用があるとされる「有機ゲルマニウム」を、体内に吸収しやすくするため、小さな水分子の集合体でできている「ナノクラスター水」と融合させた「ナノクラスター有機ゲルマニウム水」の最高額商品という。採水地は鹿児島県志布志町で、税込みで5250円。
松岡氏は資金管理団体の事務所を、光熱水費が無料の議員会館に置きながら、2005年に高熱水費として約507万円を計上。単純計算で、このミネラルウオーターを1日2.7本使用していたことになる。 オ社の田中好信会長は「重病の人でも1日に1本。健康な人なら1日に150ミリリットル飲めば十分効果がある。それ以上飲んでも効果が上がるわけではない。松岡大臣が1日にそんなに飲むなんてありえない。代理店も含めて、顧客リストに大臣の名前はありません。飲んでいただけるとすれば、ありがたいんですが…」と苦笑する。
1本5千円のミネラルウオーター。松岡氏は本当に使っていたのか!? 実際、高価なミネラルウオーター使用説を信じる議員はほとんどいるはずもなく、ある自民党関係者は、「疑惑追及をかわすためのアリバイ作りと疑われないか心配だ。仮にこの水を使っていたとしても、光熱水費に計上するのは不自然」と指摘する。
「今、水道水を飲んでいる人はほとんどいない」と公言しながら、国会での追及には「詳細の公表は差し控える」「適切に報告した」と言い逃れを続ける松岡氏。
自民党ベテラン議員は「仮に、高額な水を飲んでいても1本5000円なんて国民感情とかけ離れすぎている」と語る。
疑惑は深まるばかりで、野党サイドは「松岡問題」を突破口に、安倍政権に打撃を与えようと必死だ。民主、共産、社民、国民新の野党4党の幹事長は、松岡氏の証人喚問を要求することで一致。民主党の鳩山由紀夫幹事長も「(証人喚問で虚偽答弁をすれば)偽証罪に問うことができる」と鼻息は荒い。
松岡事務所は夕刊フジの取材に対し、ミネラルウオーターの使用について「回答できない」と答えた。
総務省の分類基準表では、光熱水費を「電気・ガス・水道の使用料およびこれらの計器使用料等をいう」と定めており、ペットボトルの水が光熱水費に該当するかどうかについて、同省の政治資金課は「問い合わせがあれば規定の説明はしているが、個別具体的なものについては、各団体の判断なので、回答は差し控える」と明言を避けている。
ZAKZAK 2007/03/12