刑事告発に踏み切ったのは、石原知事の「豪華海外出張」をめぐる旅費返還訴訟の原告でもある松原邦博氏(57)。
12日朝、夕刊フジの取材に対し、「新聞や週刊誌によると、宴席の関係者はかなり詳細な証言をしており、金銭授受の可能性は捨て切れない。都知事としてのコンプライアンス(法令順守)の観点からも、誰かが行動を起こすべきと考えた」と語った。
松原氏によると、告発対象は石原知事と兵藤茂特別秘書の2人。2000万円の献金を受けながら政治資金収支報告書に記載しなかったというもので、代理人の弁護士が8日に告発状を東京地検に提出した。
問題の宴席は2005年9月14日夜、「吉兆」2階で行われた。石原知事の三男、宏高衆院議員(42)の初当選を祝う趣旨で、「平成の政商」と呼ばれる水谷建設元会長の水谷功被告=脱税事件で公判中=や、糸山英太郎元衆院議員、埼玉県の石材業者T氏の5人が参加したという。
この席で、石原知事側に現金2000万円が渡った疑いが浮上。関係者によると、糸山氏が1000万円、水谷氏と懇意な女性社長とT氏が500万円ずつを負担したとされ、女性社長は宴席当日に500万円を東京・三田にある糸山事務所に届けたことを認めている。
これに対し、石原知事は昨年12月15日の定例会見で、現金授受について「ない」と明言。糸山氏は本紙取材に「ガセネタ。石原知事の続投阻止を狙う選挙妨害です」と否定している。
ZAKZAK 2007/03/12