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2007年03月11日(日) 00時00分

県職員「粛々と協力」  詐欺容疑 部長逮捕読売新聞

県庁捜索、3年8か月ぶり

県職員(手前右)に先導され、県庁に捜索に入る警視庁捜査員(10日午前10時37分)
 厚生労働省の科学研究費補助金を巡る詐欺事件で、県庁に入った警視庁の家宅捜索。10日午後、段ボール箱三つ分の資料を押収して終わった。県庁への捜索は土屋義彦・前知事の長女による政治資金規正法違反事件以来、約3年8か月ぶり。厚生労働省から出向中の県保健医療部長、中村健二容疑者(49)の逮捕で、突然の土曜出勤となった職員たちは「捜査に協力するだけ」と、事件を粛々と受け止めた。

 捜査員6人は、管財課職員の案内を受け、4階の保健医療部長室に入り、机やロッカーにあった封筒などを押収。このほか、県側から休暇簿や人事記録の任意提出を受けた。中村容疑者の勤務状況に関した資料が主だといい、県の事業に関連する資料は押収されなかったという。

 この日は「部長逮捕」から一夜明けての土曜日。保健医療部は各職場から計30人が出勤し、捜索に協力。総務部からも計60人が出番となり、警備や情報収集にあたった。

 部長級の幹部は「鹿児島時代の事件であり、仕方がない。捜査に粛々と協力するだけだ」と冷静な表情。ある男性職員は「(中村容疑者について)悪いことをするような人ではなかったが、随分と交際範囲の広い人だとの印象は持っていた」と話した。

 保健医療部は当面、部長不在となることから、副部長らが業務を代行。重要な案件は、岡島敦子副知事が担当する。12日の県議会最終日は「部長欠席」のままで迎える見通しだ。

 県庁への捜索は、土屋前知事の長女による事件に関して行われた2003年7月以来。また、厚生省(当時)から出向していた元県高齢者福祉課長が、96年11月に収賄容疑で逮捕された際にも捜索を受けた。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news001.htm