同図書館は1994年、公民館と博物館を併設した「コミュニティ・プラザ」の中にオープンした。「1日中いても飽きない図書館」を目指し、読み聞かせの会や、我が家の自慢の漬物を集めたフェア、クリスマスコンサートなど様々なイベントを開いている。また、こたつを設けたり、子ども向けにぬいぐるみを貸し出したりもしている。
同図書館の利用登録者数は町の人口(1万5600人)を上回る約2万2900人。隣接する山梨県北杜市や諏訪地域といった町外の人も利用している。
協会の調べによると、同図書館の昨年度の貸し出し数は約32万2000冊。町民1人当たりの20・6冊は、全国で6番目に多く、人口1万5千人〜2万人の自治体に限ると最も多い。全国平均は4・7冊。県内の公立図書館でも、2位は下条村で16・1冊、3位が下諏訪町で同13・6冊と群を抜いている。
しかし、課題もある。貸し出し数は04年度(1人当たり22・2冊)から前年比でみて減少しており、今年度はさらに減る見通しだ。また、人件費の削減などを理由に、恒例だった元日午前0時の開館を今年から取りやめたほか、この夏から週2回午後9時までだった運営時間を午後8時にする。
町生涯学習課の小池とし子係長は「これから『団塊の世代』が定年退職を迎える。定年後の過ごし方の参考になるような本もそろえ、利用者を増やしていきたい」と話している。
3歳の長女と図書館に来ていた同町乙事、主婦小林涼子さん(30)は、「子ども向けの本を借りに来たが、子どもはウサギのぬいぐるみを気に入って、結局ぬいぐるみを借りて帰った。気軽に遊びに来られる点がいいですね」と話していた。