日経平均株価と外国人・個人投資家の動向
世界同時株安は、2月27日の中国・上海市場の大暴落が発端。急激な円高ドル安が進んだことも重なり、アジア、欧米、日本と世界の株式市場を周回する形で株安が連鎖した。東京市場も28日朝には日経平均株価が一時、前日比737円も下げるなど全面安の展開が続き、日経平均は週末までに1000円近くも下落した。
1月から大幅な買い越しを続けて日本市場の株高を支えてきた外国人投資家は、売り姿勢に一転。東証がまとめた2月第4週の東京、大阪、名古屋の3証券取引所の売買状況によると、外国人の売り注文が買い注文を8週間ぶりに上回り、その差額は2649億円と昨年8月以来の高水準となった。
世界的に投資資金を株式市場から引き揚げる動きが強まり、「短期売買を繰り返す欧米のヘッジファンドが日本市場でも大量の売り注文を出した」(藤戸則弘・三菱UFJ証券投資情報部長)のが主因だ。
一方、売り越し傾向だった個人投資家は、昨年4月以来となる5086億円もの大幅な買い越しに転じた。山田勉・カブドットコム証券マーケットアナリストは「相場上昇で高値を警戒していた個人投資家が、割安感からチャンスとみて一気に買いに向かった」と分析する。
外国人、個人がともに積極的に動いたことで売買注文も膨れ上がり、2月第4週の3証券取引所の株式委託売買額は28兆3850億円に達した。