市総合防災課によると、三つの地震が同時に起きた場合、市内では津波や土砂災害などによって、死者は最大で217人、負傷者は2589人にのぼる。建物は1万1573棟が全半壊、火災で6265棟が焼失すると被害想定している。
大規模災害時、市民は最小限の生活用具しか持ち出せず、避難先では、寒さをしのぐ毛布や保温用の寝袋が必要になる。市立和歌浦小で昨年7月に実施した避難訓練でも、「夜の体育館は寒く、毛布があればほっとする」との意見があったという。
毛布は2000年度から備蓄を始め、市立の全小中学校70校と備蓄倉庫3か所に計4000枚を備えた。05年度から備蓄しているアルミ製寝袋は、沿岸部でも海抜が高くて津波発生時に優先避難場所となる市立和歌浦小、加太小など計12校と備蓄倉庫3か所に計2500枚を配備している。
しかし、避難所生活を強いられるとされる2万4000人分には、毛布が2万枚、寝袋も2万1500セットが不足。新年度は毛布、寝袋計9500人分を新たに購入し、10年度までの完備を目指す。
また、太陽光発電式の避難誘導標識は、06年度に新たに3か所に設けて計4か所となったが、津波時の優先避難場所付近への設置を進める。断水時にプールの水を飲料水に利用するための緊急用浄水装置も、2年後までには市内全域をカバーできるように拡大。地域防災無線もさらに整備していく。