同委員会の活動の中心は、1905年2月5日、同市内の横川(西区)—可部(安佐北区)間約15キロを走ったという「日本初の国産乗合バス」のPRだ。日本バス協会(東京都)は、1903年9月20日に京都市で日本初のバスが走ったとして「バスの日」(9月20日)を制定しているが、同委員会は「国土交通省が定めるバスの乗員は11人以上。京都は6人乗りだから、11人乗りの横川が日本最古」などと主張している。
2004年3月、約800万円をかけて当時のバスを復元し、JR横川駅前に展示した同委員会は、06年2月には「バスの日を譲って」と、京都市にバスを持ち込んでPR。毎年秋には、可部の「か」と横川の「よこ」から名付けた架空の女性「かよこ」が、可部に嫁ぐ物語を表現した「嫁入り祭」を開くなど、活発な活動を繰り広げてきた。
しかし、06年末に開いた協賛企業向けの説明会で、年間数百万円を出資していた企業数社が撤退を表明。予定していた、レトロバスとともに東京に乗り込むイベントや、各商店の割引券付きフリーペーパーの発行などを見合わせることになったといい、事務局長代理の山口孝さん(65)は「これまでのような派手なイベントは開けなくなる」と顔を曇らせる。
今後、同委員会は、毎月2回レトロバス前で開くオープンカフェや、「バス祭り」(県バス協会主催)への参加など、比較的経費のかからない事業に絞って継続させる。また、今月から、サッカーJ1・サンフレッチェ広島の試合日、同駅から広島ビッグアーチへのシャトルバスが運行することになり、「横川をバスとサンフレッチェの町に」と新たな作戦も練っている。
山口さんは「もちろん、お金が集まり次第、『嫁入り祭』は復活させますよ」と話しており、資金集めにも力を入れる考えだ。