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2007年03月11日(日) 01時48分

イラク安定へ初の国際会議、委員会設置で合意読売新聞

 【カイロ=長谷川由紀】混迷するイラク情勢の安定化に向け、周辺国や国連安全保障理事会常任理事国5か国、アラブ連盟、イスラム諸国会議機構(OIC)など16か国・機関の代表が参加した初めての国際会議が10日、バグダッドの外務省で開かれた。 会議後、記者会見したイラクのゼバリ外相は「建設的な会合だった」と成果を強調。参加国・機関が、治安情勢、難民問題、エネルギーなどに関する委員会を設置することで合意したことを明らかにした。ただ、当初、4月の開催を計画していた閣僚級会合については、日程、場所を決めるには至らなかった。

 ゼバリ外相はまた、核開発問題などで対立を深める米国とイランの代表が2国間会談を行ったかどうかについて言及は避けたものの、会議の中で、両代表が、イラク問題について将来どのような協議が可能かなどについて直接やりとりしたことを明らかにした。

 ゼバリ外相は両者のやりとりについて「イラク問題に限定されたもの」と述べたが、ロイター通信によると、米国、イランの両代表は、今年1月に駐留米軍が拘束したイラン人5人の返還問題について激しく応酬したという。

 ゼバリ外相によると、米国は、イスラム教スンニ派武装勢力を支援していると非難しているシリアの代表とも会議の中で話をしたとという。

 国際会議はイラク政府の呼びかけで開催された。マリキ首相は会議に先立つ開会式で、治安悪化の最大要因である宗派対立に関連し、「特定の宗派や民族、政党などを通じた国政への干渉や影響力行使を停止するよう求める」と強調、国民融和への国際社会の協力を求めた。

 イラク治安当局と駐留米軍は、悪化の一途をたどる治安の改善を目指し、2月中旬から首都バグダッドを中心に、シーア派民兵やスンニ派武装勢力を対象とした過去最大規模の掃討作戦を展開しているが、その後も各地でテロや大量拉致事件などが頻発。マリキ政権や米国内にも「武力だけでの解決は不可能」との認識が広がり、周辺国を含めた国際的な打開策を模索する動きが強まっていた。

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070310i112.htm