議員提案の政策条例が成立した数
調査は2〜3月上旬に実施。都道府県と指定市の議会事務局に、97年から06年末までに成立した議員提案の政策条例の数と内容などを聞いた。
都道府県議会での成立は99本。最多は宮城の14本で、三重(10本)、鳥取(8本)、高知・島根(7本)、岩手・広島(4本)と続く。「改革派」とされた知事のいた議会が目立つ。
成立年別では99年までの3年間は計5本だけだが、00年は8本に急増。01〜04年は年11〜14本で、05年には22本を数えた。06年は15本だった。
00年には地方分権一括法が施行され、条例をつくれる範囲が拡大。8本が鳥取、宮城、三重、高知など「改革派知事」のいた議会に集中した。知事に対抗するため活性化策として取り組んだことがうかがえる。
内容をみると、「空き缶等の散乱の防止に関する条例」(北海道)、「紀の国森づくり税条例」(和歌山)、「うみがめ保護条例」(高知)など、地域の問題や実情を反映している。ただ、「食と農の基本条例」(静岡、佐賀など5県)、「教育の日を定める条例」(岩手、広島など5県)など、基本理念や姿勢を打ち出すことに重点を置く条例も多い。
一方、1本も成立しなかった議会は青森、東京、群馬、愛知、石川、兵庫、福岡など13都県に上る。このうち群馬や山梨、新潟などは96年以前も成立した例がないことが確認された。
ゼロだった議会の議員は「否決された条例があり、動きがないわけではない」(東京)、「知事に働きかけて実現した条例はある」(愛知)などとしている。
指定市では02年以降に計10本が成立した。最多は福岡の5本で、札幌が2本のほかは仙台、さいたま、広島で1本ずつ。残る10市はゼロだった。