原告側は5日、最大手のトヨタに対し、一時金の支払い交渉を要望した上で、16日までに応じなければ和解の意思がないとみなすと伝えていた。
一審判決は国や都などに賠償を命じたが、メーカーに大気汚染の責任は認めていない。このためトヨタが一時金支払いに応じれば、「会社に損害を与えた」として株主代表訴訟を起こされる恐れもあるが、関係者によると、メーカーとして排ガスで大気汚染に関与した責任があると判断。国や都などが一時金支払いに応じるならば、応分の負担をする方向で最終調整をしているという。
一時金とは別に、都は原告を含め都内に住むぜんそく患者を対象に、医療費を助成する新たな制度の創設を打ち出している。都は国とメーカーに助成金の一部負担を求めており、トヨタは助成金負担にも前向きな姿勢を示している。
国は「病気と排ガスの因果関係が明らかになっていない」として、一時金の支払いと助成金の負担のいずれにも応じていない。一方で国は、新たな環境対策の推進などを打ち出している。
同訴訟の第1次訴訟の提訴は96年。原告数は1〜6次の提訴で計630人(1月現在)。東京高裁は06年9月、1次訴訟の控訴審で事実上の和解勧告をした。
http://www.asahi.com/national/update/0310/TKY200703090408.html