アンケートは二月十四−二十日、加盟八十八社を対象に実施。十二の設問に自由に記述する方式で、六十二社(回答率70%)から回答を得た。回答したのは各社の役員クラスが中心だった。
調査結果によると、「あるある」の捏造に対しては、「捏造を見抜けなかったというのはあり得ない」「努力を重ねてきた人たちへの裏切り」などと怒りの声が噴出。
問題の背景としては、予算不足や視聴率競争の弊害、孫請けシステムなど構造的な問題を指摘する声が目立った。「ギリギリの制作予算で、赤字もザラ。人件費の圧縮にしわ寄せがくる」「『捏造』とまでいかなくてもゴマカシがうまいディレクターが重宝がられている」「プロデューサーが若い局では、無理に狙いや結論に持っていこうとする」。制作費が削減される中で、視聴率を優先する局側に「NO」と言えない制作会社の立場を訴えている。
局側の「優越的地位の乱用」については、この項目で回答があった五十六社のうち半数近くの二十七社が「乱用がある」と回答。「発注費の10%をキックバック要求された」「飲食打ち合わせ接待を要求された」など、制作会社側が求める「対等な関係」とは程遠い実態を訴える生々しい意見が数多く寄せられた。
また、今回の問題について「特殊なケースではない」とする声も二十五社から挙がった。「似たケースが夕方のニュース番組でもあった」「ドキュメンタリーでも、面白さを局のプロデューサーに求められ、過剰演出になる傾向がある」など、再発を懸念する声が少なくなかった。
ATPは、局側との対等な関係の実現を強く求めていくとしており、工藤英博理事長は会見で「放送局と制作会社の信頼関係を築くことが、視聴者の信頼を回復する最も大事な道だと思う」と述べた。
■『あるある〜』の孫請け会社 10年で制作費半減
ATPがこの日、結果を公表したアンケートには、「発掘!あるある大事典2」の制作に携わっていた孫請け制作会社も回答を寄せていた。このうちの一社は、日本テレワークから支払われる制作費が、番組スタート当初に比べ半額近くに減ったと答えたという。
ATPが明らかにした孫請け会社の回答によると、一九九六年の番組スタート当初は、メーンコーナー一本につき、日本テレワークから制作費として一千六百万円が支払われていた。
しかし、過去十年間、四回にわたって徐々に減額され、最終的には八百六十万円にまで減ったという。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/hog/20070310/mng_____hog_____000.shtml