マリキ首相は「関係各国には、特定勢力への支援を通じて、イラク内政に干渉することのないよう求めたい」とあいさつ。イラクでの各派の衝突が各国の利害対立に起因する、との見方を強調した。
しかし、対立解消は容易ではない。
スンニ派が大勢を占めるアラブ連盟のムーサ事務局長は4日、カイロで開かれた連盟の外相会合で「イラクのスンニ派の地位向上を保証する憲法改正」を要求した。
これに対し、イランの強い影響下にあり、シーア派主導政府の中核を担うイスラム革命最高評議会(SCIRI)指導者のアブドルアジズ・ハキーム師は9日、「イラク国民の達成した成果を無にする試みは許さない」と述べ、スンニ派アラブ諸国への警戒感をあらわにした。
さらに、クルド勢力の独立志向を警戒するトルコが、石油都市キルクークのクルド帰属の動きに対して強く介入してくることも予想される。