「私が業界の談合システムの相談にのった。法律に抵触するなら、それなりのおとがめは受ける」。社長は取材に対し、言い切った。
社長自身の説明によると、社長が談合に関与するようになったのは02年ごろ。石川島播磨の担当者が年に1、2回訪れ、工事名と落札予定業者が一覧表になった工事の配分案を見せたという。
社長は過去の実績や技術力を考慮し、「不平不満が出ないようにバランスをとり、アドバイスを与えた」。1〜2割の落札予定業者を変更させた、という。
石川島播磨の担当者に自ら申し出て、関与するようになったという。農水省職員やOBの関与はなく、業者の陳情も受けないといい、「ボランティアのようなもの」と主張する。
社長は同様の説明を公取委にもしており、業者側の供述とも大きな食い違いはないという。
公取委は当初、社長に対しても農水省の現職職員やOBの関与がないか、追及した。しかし、結局、なぜ社長が談合に「アドバイス」できる立場になったのか、わからないままだったという。
公取委幹部は漏らす。「農水省については、解明できない部分が多く残ったのは確かだ」
社長は取材に対し、一つのエピソードを明かした。
メーカーで営業担当をしていた95〜96年当時、ある農水省幹部に呼ばれた。「役人が談合にかかわることはやめたい。本来の仕事ではない」と言われ、「やめるべきだ」と応じた、という。
社長は続けた。「だれがそんな話をしたか。名前は一切言いません。公取委にも、そう言った」
http://www.asahi.com/national/update/0310/TKY200703100134.html