■「攻めやすい」
松岡氏の資金管理団体「松岡利勝新世紀政経懇話会」は、国会脇にある衆院第一議員会館内の松岡氏の事務所を所在地にしている。議員会館は庁舎扱いで家賃や光熱水費が請求されないにもかかわらず、同懇話会は二〇〇五年の収支報告書に事務所費三千三百五十九万余円、光熱水費五百七万余円を計上した。
事務所費には火災保険や電話使用料、切手代も計上できるため、この数字をもって不適切処理とは言えない。一方、光熱水費は「電気、ガス、水道の使用料およびこれらの計器使用料等」しか計上できないため、民主党は「こちらの方が虚偽記載で攻めやすい」と判断。同党の浅尾慶一郎氏も九日の質疑で「議員会館では光熱水費がかけようがないのに、なぜ(五百万円も)あるのか」と厳しく追及した。
■備品費「常識」
松岡氏はこの日「既に報告すべきは適切に報告している」と繰り返し、七日に続いて詳細な説明を拒否した。
五日の同委員会では「ナントカ還元水とかいうものをつけている。暖房なりなんなり、別途そういうものも含まれる」と、浄水器や暖房設備費を加算したかのように説明した。しかし「浄水器代などは『備品・消耗品費』に計上するのが経理担当者の常識」(ベテラン秘書)だから「適切に報告している」とは言いがたい。
九日朝、民主党議員が松岡氏の事務所を訪れたところ、浄水器は見あたらず、民主党は「事実を公表すれば違法(虚偽記載)が発覚。公表しなければ虚偽答弁になる」(参院議員)と勢いづく。
さらに浅尾氏は同日の委員会で、安倍首相に、松岡氏の任命権者としての見解をただしたのに対し、安倍首相は「(松岡氏は)法令にのっとって報告している」と、問題ないとの考えを重ねて示した。これを受け、民主党は「松岡氏の虚偽記載、虚偽答弁、首相の任命責任の三点セットで攻め続ける」(中堅議員)作戦だ。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20070310/mng_____sei_____004.shtml