調べでは、三人は共謀して、二〇〇二年と〇三年の四月、関西の大学教授が研究責任者となった〇一、〇二両年度の「厚生労働科学研究費補助金」(障害保健福祉総合研究事業)の分担研究費の余剰金計約二百十万円を返還せずに、だまし取った疑い。
中村容疑者は、分担研究者だった鹿児島県保健福祉部長当時の部下に指示。小坂容疑者らが実質経営するマ社から消耗品を買ったように見せかける架空見積書に基づいてマ社の口座に送金させ、研究費を使い切ったように見せかけていた。
中村容疑者は容疑を認め、小坂、梶浦両容疑者は否認している。研究責任者の教授は、不正に気付かなかったという。
医師免許を持つ中村容疑者は慶応大医学部を卒業し、一九八四年に厚生省(当時)に入省。だまし取った補助金を所管する障害保健福祉部企画課課長補佐などを経て、〇一年に鹿児島県に出向。〇三年に厚労省大臣官房総務課企画官となり、〇五年に埼玉県保健医療部長となった。
小坂容疑者は二〇〇四年四月までマ社の社長。同じ東京・日本橋のビルに入居する「レインボーブリッヂ」の実質的な代表で、北朝鮮に食糧や医薬品を送る支援活動をしていた。「水谷建設」(三重県桑名市)の脱税事件で、資金が流れた疑いがあるとして昨夏、東京地検特捜部が事務所や自宅を捜索している。
マ社は、小坂容疑者が社長を辞任すると同時に登記上、本店所在地を三重県四日市市に移転したが、同じビルで活動していたとみられている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070310/mng_____sya_____008.shtml