NPO法人「クロスアーツ」(東京都大田区)。映像や音楽を通じた国際交流をめざす作曲家や映画監督ら約30人が参加し、05年に結成した。
アフガン支援は同年春、天理大などと協力して開始。映画復興に取り組む国立カブール大芸術学部の教授陣や学生に撮影指導を行った。日本から贈られた撮影機材を使い、作品の共同制作も進めた。
昨年9月、再度現地訪問した村山達哉代表(42)らは、大衆文化の急速な再建を目の当たりにした。市街戦の弾痕の残る劇場では娯楽に飢えた若者が銀幕を凝視。若い世代の監督がハリウッド的な新しい感覚でホラー映画などを撮るようになっていた。
首都カブールでは民放テレビの開局が相次ぎ、民族融和のため複数言語放送も始まっていた。村山さんらが視察した局は女性スタッフが半数を占めた。検閲なしで発行されるようになった新聞も、若者を中心に部数を伸ばしている。
映画祭では、メディアのあり方と支援の課題を探るため、現地のテレビプロデューサーを招いたシンポジウムも開く。テレビ局のニュース映像も上映する。「復興」に焦点を当て、カブール大学生の制作作品など10作品も紹介する。
村山さんは「復興は進むが、メディアや映画界の基盤は弱く、民主化はどう転ぶか分からない。少しでも関心を持ってもらい、文化支援の大切さを訴えたい」と話す。
映画祭は10、11日が蒲田の日本工学院専門学校で、12〜16日が渋谷のシネマ・アンジェリカで。シンポは蒲田のみの開催。問い合わせはクロスアーツ(03・3729・5608)へ。