厚労省は、全国の精神科病院に入院する32万人のうち、地域で生活する場がなく入院を余儀なくされている約7万人を12年度までに退院させる計画だ。しかし、グループホームなど地域での受け皿づくりが住民の反対などで進まず、「病院から地域への橋渡しをする施設が必要」として、退院支援施設をつくることにした。
この施設では、患者が入所し、2〜3年かけて生活能力を高めたり、職業訓練を受けたりして、地域での自立を目指す。ただ、引き続き医師の監督下に置かれ、施設と精神科病院との間で入退院を繰り返し、地域移行が進まないことが懸念されている。
この日会見した精神障害者の支援グループ「こらーるたいとう」の加藤真規子代表は「病院に補助金を出して施設をつくるより、公営住宅への優先入居やグループホームの建設など地域の態勢整備にもっと力を入れるべきだ」と批判した。