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2007年03月09日(金) 21時45分

1万本の輸血血液、不良の疑い 白血球除去できず朝日新聞

 日本赤十字社が今年1月、輸血による副作用を減らすために導入した白血球除去の処理に不備があり、基準値以上の白血球が残った可能性がある血液製剤1万910本(約4.3トン)が作られていたことがわかった。医療機器メーカー「テルモ」(本社・東京)がつくったフィルターに小さな穴があいていたため。病院などに出荷されたのは3194本。出荷を見合わせた7716本のうち、846本は廃棄された。

 献血した人の白血球が輸血用血液に含まれていると、発熱などの副作用が起きることがある。輸血のたびにフィルターをつけて白血球を除去することが推奨されていた。日赤は今年1月中旬、白血球除去フィルターを組み込んだ採血バッグを使い、すべての血液の濾過(ろか)を始めた。

 この新たな対策を始めた1月16日から1週間の間に16のバッグのフィルター内の壁に小さな穴があいていることがわかり、同様に作られた製剤の出荷を見合わせた。

 病院などに納入された製剤について日赤は、注意を呼びかけた。発熱などの副作用報告は5件あったが、因果関係は不明という。

http://www.asahi.com/national/update/0309/TKY200703090320.html