拡大するイオンの「ゆるやかな」連合
イオンはダイエー株を462億円で取得するほか、ダイエー保有の食品スーパー・マルエツ株の21%を165億円で買い取ってマルエツとも業務提携をめざす。丸紅とは相互に100億円相当の株式を持ち合う。
イオンとダイエーは昨年10月、提携交渉開始で合意し、約5カ月にわたり提携内容を詰めた。合意では、商品の共同仕入れや独自ブランド商品の共同開発を進め、初年度に販売額ベースで3000億円規模をめざす。イオンの店舗運営システムの共同利用や物流施設の統合も検討。業務効率化によるコスト削減と商品開発力の強化で両社の競争力強化を図る。
記者会見したイオンの岡田元也社長は「ダイエー再建は十分可能だ」と自信を示し、丸紅の勝俣宣夫社長も「(イオンとダイエーは)世界でも『勝ち組』になれる」と語った。
長期低迷が続いたダイエーは04年12月、産業再生機構の傘下に入った。昨年7月に機構に代わって丸紅がダイエー再建の主導権を握り、再建を進めるパートナーを探し始めた。小売業世界最大手で、西友を傘下に持つ米ウォルマート・ストアーズも関心を示したが、イオンが優先交渉権を獲得していた。