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2007年03月09日(金) 00時00分

拉致問題 制裁撤回など要求 再調査に過大な条件 東京新聞

 【ハノイ=中山高志】六カ国協議の日朝国交正常化に関する作業部会が物別れに終わったことを受け、日朝両国の代表は八日、ハノイ市内でそれぞれ記者会見し、双方の見解を主張した。

 北朝鮮側代表の宋日昊(ソン・イルホ)日朝国交正常化交渉担当大使は、日本人拉致問題の解決を国交正常化の前提とする日本の立場について「決して受け入れられない。拉致問題はすべて解決済みだ」と批判した。

 拉致問題の再調査についても「制裁撤回と在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)弾圧の即時中止、過去の清算の開始過程をみて考慮する」と、日本の経済制裁解除など高いハードルを突き付けた。

 このほか(1)横田めぐみさんとは別人のものと日本が鑑定した遺骨の返還(2)日本の植民地支配時代の「八百四十万人の強制連行」や「大規模な虐殺」、「二十万人の日本軍従軍慰安婦」に対する補償−などを要求した。

 これに対し、日本側代表の原口幸市・日朝国交正常化交渉担当大使は「(拉致問題について)北朝鮮から誠意ある対応が示されなかったのは遺憾だ」と表明。一方で、今回の協議について「互いの立場を直接確認し合ったこと自体には一定の意味があった」と述べた。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20070309/mng_____kok_____001.shtml