しんちゃんは推定二、三歳の雄。川越市の新河岸(しんがし)川で見つかったのにちなみ「しんちゃん」と名付けられた。発見時の体重は二三キロで負傷して衰弱していたが、今では四五・五キロまで大きくなり、健康状態も良好になったため、キタオットセイの群れが南下してくるシーズンに合わせて放流することにした。
この日は同水族館のスタッフがしんちゃんを車に乗せ、鴨川市から銚子市まで輸送。イルカウオッチング用の船から約十七キロ沖で放流されたしんちゃんは、すぐに元気に泳ぎ始めたが、しばらく船から離れず、名残惜しそうにしていた。
同水族館でしんちゃんの飼育を担当していた中野良昭さん(38)は「無事放流できてひとまずほっとした。帰って空のプールを見たら寂しくなると思うが、元気そうに泳いでいてよかった」と話した。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070309/mng_____sya_____014.shtml