福井俊彦日銀総裁の任期満了(2008年3月19日)まで残り1年余となった。時事通信社はこのほど、有力エコノミスト24人を対象にアンケート調査を実施。次期総裁の「最有力候補」について質問したところ、武藤敏郎副総裁が19人で大勢を占めた。ただ、「就任してほしい人物」との問いには、武藤氏は5人にとどまった。
もう1人の副総裁・岩田一政氏と植田和男東大経済学部長(元日銀審議委員)が3人ずつ、竹中平蔵慶大教授(前総務相)が2人の支持を集めるなど、望ましい総裁像には本命の武藤氏以外にも複数の名前が挙がっていることが分かった。
武藤氏は財務省事務次官を経て03年3月、福井総裁と同時に副総裁に就任した。エコノミストの間では、「元政府高官だけに財政、金融ともに経験や人脈が豊富だ」(後藤康雄・三菱総合研究所主席研究員)などの評価が多い。
一方、2月の金融政策決定会合で福井総裁の利上げ提案に反旗を翻した岩田氏への注目度が急速に高まっている。福井総裁の利上げ路線に批判を続ける竹中氏の人気も根強い。
植田氏は「論理が明快で景気の読みも的確だ」(佐藤健裕・モルガンスタンレー証券チーフエコノミスト)と評されている。
ZAKZAK 2007/03/08