香取市下飯田のため池で篠塚裕也さん(18)の遺体が見つかった事件で、篠塚さんが2回にわたり集団暴行を受け、池に沈められるまでの経緯が7日、明らかになった。当時、篠塚さんと一緒に行動していた友人(19)=同=が、とび職高木淳雄容疑者(20)=器物損壊容疑で逮捕=らから脅されて加担した疑いもあるという。県警は殺人容疑を視野に集団内の役割などの解明を慎重に進めている。
捜査関係者によると、篠塚さんが、茨城県内に住む少女から電話で呼び出されたのは、2月17日夜から18日未明の間。篠塚さんは、この時一緒にいた中学校の先輩である旭市の友人に付き添われ、軽乗用車で、香取市内のコンビニエンスストアに向かった。
そこには、少女のほかに、高木容疑者ら茨城県に住むグループのメンバー数人が待ち構えていた。篠塚さんは一度は逃げたが、まもなく見つけられた。小見川区事務所(同市羽根川)の駐車場に連れて行かれ、集団暴行を受けたという。
同グループは篠塚さんを連れて、さらに約12キロ離れた神栖市の海浜運動公園(同市南浜)に場所を移し、鉄パイプなどを使って再び暴行。篠塚さんは瀕死(ひん・し)の状態になっていたという。
その後、篠塚さんと友人を連れて、香取市下飯田のため池に。友人を脅し、瀕死の状態だった篠塚さんを池に沈めさせたという。この友人は「自分も殺されると思い、必死だった」と話しているという。
グループのメンバーの多くはその後、篠塚さんの血が付いた軽乗用車を処分するため、東庄町石出の町道へ移動。18日午前6時ごろ、灯油のようなものをかけて燃やしたという。
県警はこれまでに、事件に関与した男女9人を特定。このうち高木容疑者、篠塚さんの友人を含む7人を、篠塚さんをため池に運んだ軽自動車を燃やしたとして、器物損壊の疑いで逮捕している。篠塚さんは、女性との交際をめぐり、高木容疑者とトラブルになっていたという。
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