プロフは「プロフィルを載せたサイト」の略称で、「前略プロフィール」や「Myぷろふぃーる」などの名前でサイトが運営されている。利用者は自分のページに写真を掲載し、ハンドルネーム(ネット上の通称)や誕生日のほか、「好きな食べ物」「好きな芸能人」などの質問に答えることで、自己紹介文を作成できる。広告収入で運営するため、利用料金は無料の場合が多い。
最大手の「前略」は楽天グループが02年から始めた。楽天は利用者数を明らかにしていないが、「06年夏ごろから急増した」という。調査会社のビデオリサーチインタラクティブによると、同サービスの利用者は06年11月で約100万人。このうち半数が未成年者と見られる。
一度プロフを作っておけば、アドレスを教えるだけで趣味や性格を知ってもらえる名刺代わりとなる。中高生の間では「プロフ(のアドレス)教えて」が初対面のあいさつとして広まる。
埼玉県の県立高校1年の男子生徒(16)は「中学から高校に上がる時に、同級生のほとんどがプロフをつくった」と話す。友達を新しく作るのに便利だからという。知らない人からメッセージを受け取ることもある。
一方で、住所や学校名など個人情報が書き込まれることもあることが、問題となりつつある。財団法人インターネット協会(東京都)には昨秋以降、中学校などからプロフ関連の問い合わせが寄せられるようになった。「中傷を書いたと疑われて悩んでいる」(茨城県の女子中学生)と相談もあった。
未成年者が「喫煙、飲酒をしている」と語る記述や、裸の写真を載せて「つきあってください」と援助交際を求める記述も少なくない。出会い系サイトへ誘導するプロフも出現している。
「前略」では個人情報の掲載や暴力的な表現は禁止している。楽天は「禁止表現を見回る体制をつくっているが、登録件数が多く、問題の発覚は多くは通報がきっかけ」と説明する。
違法・有害サイトの閲覧を規制するフィルタリングソフト最大手のアルプスシステムインテグレーションは「児童ポルノなど違法な画像や、出会い系サイトとしての利用も見られる」と分析する。昨年末からプロフを重点的に監視し始めた。
東京都町田市の市立南中学校は昨年11月、保護者から「プロフから個人情報が流出する恐れがある」という指摘を受け緊急の保護者集会を開いた。同校の守屋裕一副校長は「子どもたちには、不特定多数の人に見られてしまうことへの認識が薄い」と話す。
ネット教育に詳しい東京都北区立赤羽台西小学校の野間俊彦教諭は「見る人が見れば個人を特定されてしまうことを認識させる必要がある。これだけ流行しているのに大人は存在すら気づいていないのも問題だ」と話している。