約六十棟が立ち並ぶ一万世帯以上が入居可能な巨大団地群の一棟。十一階建ての屋上に備え付けられた金属製のはしごにロープをかけて一人は首をつって死亡、一人は首にロープを巻き付けたまま倒れていた。団地の主婦(48)は「普段人が入らない場所。私も娘がいるからショック」と話す。
学校などによると、死亡した生徒は五日夕、学校から帰宅後、着替えて「図書館に行く」と出掛けた。午後七時半になっても帰宅せず、家族が捜したところ、生徒のパソコンに「生活に何の不満もない 私の身勝手を許してください お父さんお母さん悲しまないで」という遺書を見つけた。
二人は一年生から同じクラスで、仲がよかった。死亡した生徒は一年生からコーラス部で、最近は部を引っ張っていた。「大学で美術をやりたい」と美術系予備校にも通っていた。一命を取り留めた生徒は、英語劇部で主役を務めたこともあった。
「二人とも自分を見失う生徒ではないと思っていた」と同校教頭。「生きる目標、生きる道を失ってしまったとしたら、悔しい。楽しいことをもっと見せてあげたかった」と声を震わせた。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20070307/lcl_____tko_____003.shtml