同センターによると、簡単な血液検査や健康診断を受け、高額の健康器具や医療サービスを契約させられたという苦情が、統計が残っている96年度以降3510件あった。96年度は132件だったのが、05年度は589件と、約4.5倍に増えていた。
関東地方の70歳代の女性は昨年2月、仮店舗のようなところで、「中性脂肪が高めで不安」と訴えたところ、店員に指先から血液を採取された。モニター画面を見せられ「血液がドロドロだ」といわれた。ブレスレットを15分ほどつけてから再度検査すると、「血液がサラサラになった」といわれた。そのブレスレットを約29万円で購入したが、つけても体調に変化はなかったという。
被害者を年代別にみると、70歳代が最も多く全体の22%、60歳代が20%で高齢者が多い。平均契約金額は、54万円だった。販売形態は、店舗販売と訪問販売が各38%。また、空き店舗などを数日で転々とする「仮店舗」のような形で売るケースも11%あった。
同センター情報分析部は「健康ブームにのって、悪質業者も手口が巧みになっている」と話している。