2007年03月07日(水) 15時02分
<平成電電詐欺>関係2社、配当率上げ出資誘う(毎日新聞)
経営破たんした「平成電電」(東京都渋谷区)の投資詐欺事件で、「平成電電システム」など関係会社2社は、04年10月、投資家の出資に対する配当率を年8%から10%に引き上げ、1回に集める出資額がそれまでの3倍以上の大幅増に成功していたことが分かった。出資金が平成電電の運転資金に流用されたのも同時期からだったことが判明しており、警視庁捜査2課は、経営難の平成電電に多額の資金を回すことが配当率アップの目的だったとみて捜査している。
同課の調べなどでは、「平成電電システム」と「平成電電設備」は、それぞれが設立する匿名組合を受け皿に、03年9月〜05年9月の21回、出資を募った。04年9月の9回目募集までは配当率を年8%としていたが、04年10月の10回目から10%に変更。同時に、それまで出資の5年後に返還するとしていた出資元本についても出資直後から分割で応じるという投資家に有利な条件も加えた。
このころ、タレントを起用したテレビCMを流すなど宣伝も強化した。その結果、9回目までは3億〜9億円だった出資金は、10回目から一気に増え、21回目まで毎回、26億〜50億円を集めた。
しかし10回目以降の出資金は、平成電電の運転資金や過去の出資への配当に回されるようになり、リース向け通信機器の購入という資金募集の名目は無実化した。05年10月の民事再生法の適用申請と同時に配当が停止し、被害が表面化した。配当率を引き上げた04年10月当時、同社はすでに赤字に陥っていたという。【石丸整、鳴海崇】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070307-00000053-mai-soci