捜査2課の調べや平成電電の決算書類などによると、出資金の受け皿だった匿名組合を運営していた「平成電電システム」など関係2社から平成電電本体に対し、04年2月から05年8月までに計7億8900万円が、貸付金名目で支出された。
この時期に匿名組合が集めた金はほとんどが出資者への説明通りの運用はされず、平成電電の運転資金にあてられたり、過去の出資者への配当に回されたりしたとみられている。貸付金としての処理は、「平成電電システム」などに残っていた金を、表面上は無関係を装っていた平成電電本体に移し替えるための工作の一つだった疑いが強いという。
また、平成電電被害対策弁護団によると、平成電電から佐藤容疑者個人に対して計約5億7000万円が貸し付けられ、未返済になっている。うち約1億7000万円は平成電電システム元社長の熊本徳夫容疑者(54)=同容疑で逮捕=に渡ったという。
これとは別に、平成電電から佐藤容疑者へは約7000万円の仮払金もあったという。捜査2課は、こうした金は佐藤、熊本両容疑者が私的に流用した疑いもあるとみて、使途を調べている。
http://www.asahi.com/national/update/0307/TKY200703070188.html