この事件は、中山さんと妻シゲ子さん(58)らが03年2〜3月、同市のパート職員藤元いち子さん(53)宅であった4回の会合で、11人に計191万円を渡し、投票を依頼するなどしたとして起訴された。
これに対し、被告・弁護側は一貫して「自白は違法な取り調べで強要された。事件はでっち上げで冤罪」と主張。6人から取った自白調書を裏打ちする物証や買収資金の出どころが示されていないことや、4回開かれたとする「買収会合」のうち少なくとも2回については中山さんにアリバイがあることも立証した。
判決も、弁護側の主張に沿って中山さんのアリバイを認定。すべての会合が存在しなかった可能性をにじませる一方、自白調書についても「あるはずもない事実が、さもあったかのように具体的かつ迫真的に表現されている」と指摘して、その信用性を否定していた。
さらに判決は「自白した被告らの主張するような追及的・強圧的な取り調べがあったことをうかがわせる」と認定するなど、検察側の主張をことごとく退けていた。
http://www.asahi.com/national/update/0306/SEB200703050012.html