訴状によると、渡辺さんは91年、他の研究員3人とともに体内の悪玉コレステロール値を下げる薬の主成分を発明。同社が取得した特許権を独占使用する契約を98年に結んだ英国の製薬会社は、この主成分を使った高脂血症治療薬「クレストール」を開発し、世界各国で販売した。塩野義製薬は昨年8月、05年に改定した社内規定に基づき、すでに退社した渡辺さんに約1450万円の報償金支払いを提示した。
渡辺さん側は、クレストールの昨年1年間の売り上げは約2400億円に上り、塩野義製薬は04年以降の2年半で計203億円の特許使用料を得ていると指摘。「過去の判例などによれば、原告が受け取る発明対価は約8億7000万円になる」と主張している。
〈塩野義製薬の話〉 訴状が届いていないのでコメントは差し控える。
http://www.asahi.com/national/update/0306/OSK200703060062.html