2007年03月04日(日) 10時00分
雪原歩く「脳トレツアー」体験(日刊ゲンダイ)
「脳トレーニングツアー」をご存じだろうか。蓼科高原など観光地を抱える長野県茅野市の商工会議所と諏訪東京理科大の篠原菊紀教授(脳機能研究)などが共同で開発した、自然体験と脳テストを組み合わせた、わが国初のツアーだ。昨年6月から本格スタートし、今までに中年以上を中心に約900人がツアーを体験。1月下旬から車山高原で行われているスノーシュー(西洋かんじき)“脳トレツアー”に参加した。
●脳テスト1回目は実年齢より9歳も高かった
篠原教授によれば、人は自然体験すると気持ちがよくなり、脳も若返るという。脳トレツアーはこれを実践化したもので、ハイキングやトレッキングなどの自然体験の前と後にパソコンで脳テスト(茅野市民約1000人が協力したソフトは篠原教授が作成)を行うのがミソだ。冬場のスノーシュー(ストックとともにレンタル)の脳トレも日帰りと1泊2日のコースがあり、56歳の記者は後者のコースを選んだ。
1日目に、まず午前中に脳テストを受ける。これは脳の「切り替え力」「判断力」「手順記憶力」「記憶保持力」など6つの脳力をゲーム形式で測定する。速さと正確さが要求され、初体験のゲームとあって、なかなかうまくいかない。結果は「あなたの脳年齢は65歳」の判定。自分の脳が実年齢より9歳も老けていたことにショックだったが、30代女性スタッフの「私も最初は60歳の判定でした」の言葉にホッとする。午後からは地元のガイドと一緒にスノーシューで車山高原の雪原(暖冬で雪は少なかった)を約1時間、4キロほど歩いた。標高1500メートルの高原でのスノーシューは酸素が薄めで、少しこたえた。宿泊先のペンションでは自分で足腰をマッサージ。
●2回目の脳テストは10歳若返り
前夜から降った雪が30センチほど積もった2日目のスノーシューの体験は、参加者8人が約5キロを2時間近く歩き、前日よりもさらにハードだったが、すがすがしい気持ちに。麓(ふもと)のロッジでの昼食は特製「健脳弁当」。ワカメおにぎりと雑穀おにぎり各1個に、キノコ入りソースをかけたハンバーグ、サバの空揚げ、ポテトフライ、サラダなどがおかず。“脳に良い”とされる食材を使っているそうだ。
昼食後、気分が落ち着くというハーブティーを飲んだ後、いよいよ2回目の脳テストにトライ。どのくらい脳が若返っているか期待した。判定は「55歳」。1回目のテストよりも10歳若返り、少し安心である。
●子供は逆に脳年齢が上がる
ガイド役の小林秀樹氏はこう言う。
「ツアーに参加した大人のほとんどは、2回目の脳テストの結果は1回目より若返ります。実年齢よりも20歳若返った人もいます。逆に子供の場合、2回目の脳テストは年齢が上がる傾向になっています。これは成長した証拠ということです。どちらにしろ自然体験は脳にいい影響を与えるのでしょう」
スノーシューの「脳トレツアー」は今月中旬までの予定。4月からはハイキングやトレッキングの「脳トレツアー」を実施する。
ちなみに料金は日帰り6000円程度、1泊2日なら1万円弱(宿泊代別)。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070304-00000007-gen-ent