川崎市川崎区の市立川崎病院の眼科外来で、民間眼鏡店チェーンの店員が20年以上、患者の視力検査を行っていた問題で、川崎市が3日、記者会見し、店員が眼圧検査をした疑いがあることを明らかにした。
医師法で禁じられている医療行為にあたる可能性があり、市は事実を調査したうえで、同法違反の疑いで刑事告発も検討する。
市によると、眼科外来に出入りしていた眼鏡店チェーン「オグラ」(東京都千代田区)の店員らは、「連絡ノート」を作り、引き継ぎに利用。このノートには、カルテに検査結果を記すように指示する文言があったほか、眼圧検査を指す「NCT」という用語を使い、検査を指示する記載があった。
店員はいずれも医療行為をする資格はなく、医師法違反の可能性がある。
市が今年1月、同病院を立ち入り検査した際、ノートは眼科外来の検査室にあった。市は病院から任意提出を受け、参考文書として保存していた。病院は「店員間で使っていた連絡ノート」と認めている。
病院は、「単純な(視力)検査で医療行為には当たらない」と釈明。オグラ営業部は「ノートは破棄し、店員が書いたノートかどうか確認できない」と話した。