市によると公募は同年一月、技術力や経験、体制などを含めた提案書を提出して選考するプロポーザル方式で実施し、五団体が応募した。
翌月、七人の関係課長が評価委員を務めて採点評価を行ったが、総務局危機管理対策室(現・安全管理局危機管理室)の情報・技術課長(50)が部下二人に指示し、鉛筆で書かれていた四人分の採点表と集計用紙を改ざんした。
改ざんにより、一番得点が高かった事業者の得点が三百十八点から三百七点に、二位だったNPO法人の得点が二百七十六点から三百九点に修正され、後者と市の間で事業についての協定書が結ばれた。
事業は神奈川区内の二十二カ所に避難場所の標識を新設するとともに、既にある二百九カ所を再整備し、二〇二七年まで維持管理するもの。市から補助金などは出ず、事業者が標識と一緒に掲げる広告の収入でまかなうことになっている。
市の調査に同課長は、このNPO法人が、事業に必要な広告主の獲得に熱心だったことや、一位だった事業者が同様の事業で進ちょく状況が悪かったことなどを挙げ、「何とか成果を上げたかった」と説明したという。
事業はその後、うまく進まず、市が昨年末に調査したところ、採点の改ざんを把握したという。NPO法人は今年一月、採算が取れないことなどを理由に事業の権利者を辞退している。 (木村留美)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20070303/lcl_____kgw_____001.shtml