この工事は、二〇〇三年九月に入札が行われた愛知県企業庁発注の空港対岸部「前島」の造成・道路・雨水工事。JV幹事社は談合でほかの大手ゼネコンに決まっていたが、大林組が割り込んだため、同工事では異例の大手二社が名を連ねる形となった。
関係者によると、入札予定価格が五十億円を超える工事の入札は、中部空港本島については〇二年で終了。前島もほぼ同時に開発が進み、二〇〇〇年から〇二年までに十件の入札が行われ、〇三年は約八十億円のこの工事だけが残っていた。
同容疑者を中心とする談合グループは各社の希望を聞いた上で受注工事を割り振っており、問題の工事は清水建設が幹事社となり、中堅ゼネコン、地元ゼネコン四社とJVを組織することでいったん話はまとまった。
ところが、同容疑者が談合グループに、JVへの参加を認めるよう要求。清水建設の談合担当をしていた営業幹部は、同容疑者と良好な関係を築いており、将来的な影響も考慮して要求を受け入れたという。落札価格は七十四億五千万円で落札率は92・7%だった。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070303/eve_____sya_____004.shtml