03年県議選をめぐる公職選挙法違反事件で、12被告全員の無罪判決を受け、志布志市の市民団体「住民の人権を考える会」(一木法明会長)の関係者3人が1日、鹿児島市の鹿児島地検に控訴断念を申し入れる要請書を手渡した。地検側は「坂井文雄検事正に報告する。控訴するかどうかを検討している」などと応じたという。
要請書では、「判決は控訴の余地がない。被告とされた人たちは高齢者が多数おり、裁判で拘束すべきではない」と述べるとともに、取り調べを録音・録画する可視化などを求めた。また、口頭で、当時捜査に携わった検事らの処分も申し入れた。
同会事務局長の武田佐俊さん(63)は「『全員無罪』を真摯(しん・し)に受け止め、地検は控訴しないでほしい」と話した。
同事件は元県議の中山信一さん(61)をはじめとする住民計13人が、投票依頼のために買収会合を開き、現金計191万円を授受したとして、起訴された(1人死亡で公訴棄却)。鹿児島地裁は2月23日、全員の無罪を言い渡した。
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